- 作者: リチャード・ドーキンス,日高敏隆,岸由二,羽田節子,垂水雄二
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 単行本
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メモしておく。
- 意識とは、実行上の決定権をもつ生存機械が、究極的な主人である遺伝子から解放されるという進化傾向の極致だと考えることができる。脳は遺伝子の独裁に背くことも可能だ。避妊が良い例である。
- 遺伝子は予言に似た作業を行う必要がある。生存機械が下す決定はすべて賭けである。平均してうまくいく決定を下すように脳をあらかじめプログラムしておくのが遺伝子の仕事だ。生存機械が行う行動すべてを遺伝子がコントロールすることはできない。行動は瞬時に行われるが、遺伝子はタンパク質を合成することしかできず、速度が遅い。反応時間が長すぎるのだ。
最終章を読んでいると、「延長された表現型―自然淘汰の単位としての遺伝子」(ASIN:4314004851)にも興味をそそられる。最終章はこの本のサマリーらしい。しかし新品では販売されていないようだ。利己的な遺伝子の巻末の広告には掲載されているのに。図書館で借りるしかないのか。
生物とは何か、という根本的な疑問を感じてしまった。遺伝子というか自己複製子が自らを末代にまで広めるために生物が登場したのだとすると、遺伝子の目的はなんなのだろうと不思議に思う。ただ永遠の存続することを目指すことのみが目的なのか?