反社会学講座

反社会学講座

反社会学講座

昨日ブックオフにて購入。今更ながらと思いつつ読んでみた。青少年の犯罪が世間の思い込みに反して低下傾向にあるという事実が紹介されている。データを見ると納得できるのだが、最近になって少し上昇傾向を示していることも確かなので世間が持つ印象を変えることは難しそうだ。戦後はもっと少年による凶悪犯罪が多かったといっても今の人にはあまりピンとこない。5年前、1年前といったもっと近い時点との比較のほうがより強い印象を与えると思うからだ。
この本を読んでいると社会学とはなにか、よく分からなくなってきた。何でもありの学問のように見える。
メラビアンの法則はでたらめという指摘も面白い。研修屋が大幅な拡大解釈を行って出来上がったものらしい。ボディーランゲージの重要性が過大評価されているということか。ただこの法則では外見が第一印象に与える影響が述べられていない。いくらなんでもボディーランゲージの中に含まれているとも思えないし。

戦後には少年犯罪が多かったという指摘を読んでいると、泉麻人の「B級ニュース図鑑」(ASIN:4101076138)を思い出した。この本には変わった少年犯罪がいくつか紹介されていた。


欧州の大学はほとんどが国立で学費が無料(もしくは非常に安い)という指摘は意外だった。学費は安く、奨学金をもらえるとなると卒業する気にならないのはごく当たり前に思える。逆に米国の大学の学費は非常に高いが、日本と違って入学は容易との指摘。これには疑問も感じる。定員が決まっている以上、それ以上の応募者がやってくるとどうしても選抜せざるをえないと思う。学力テストを何度も受験でき、それを願書に添えるだけでよいというので、入試一発勝負の日本よりは受験生が抱える精神的なストレスははるかに少ないだろうとは想像できるが。WSJでも大学に合格するために様々な手を尽くす高校生の記事が以前掲載されていた。試験の成績が良いには当たり前なのでそれでは他の受験生と差別化できない。そこでいかに自分が魅力的な人間かをアピールするために課外授業やボランティア・海外留学などに精を出すという。
大学の学費は米国でも親が出すとの指摘はWSJNew York Timesを読んでいるため納得できる。パーソナル・ファイナンスの紙面で大きな場所を占めているのが子供の大学の学費をどのように工面するかという記事だ。これを見ているだけでも親が学費を出すことはごく普通なことであることが分かる。ただ大学の学費以外の教育費は問題になっていないような気がする。塾みたいなものはないのだろうか?