投資家よ騙されるな! ウォール街 欺瞞の血筋

投資家よ騙されるな! ウォール街 欺瞞の血筋

投資家よ騙されるな! ウォール街 欺瞞の血筋

レビット元SEC委員長をはじめとする当局の対応の遅さを批判している。これは意外な展開だ。どちらかというとレビット委員長は規制強化を進めようとしたものの、議会などからの圧力を受けて頓挫を余儀なくされたと思っていたためだ。しかし同書では、レビット委員長はスピーチだけで実行が伴っていないと指摘している。確かに利益相反行為が蔓延している状況を放置していたのだから批判されても仕方がないとも言える。機関投資家個人投資家の知識水準について誤解していたのだろう。利益相反機関投資家には充分分かっているだけに、個人投資家も分かっているはずだと考えていたのかもしれない。
最初にウォール街利益相反行為個人投資家が損失を受けたと訴えた弁護士が、もともと悪徳証券会社(本書ではバケツショップと呼んでいる)の弁護を長年引き受けてきた人物であるというのが面白い。まったく立場が入れ替わってしまったわけだ。
そういえば、今日の日経新聞の書評にこの本が登場していた。