刑務所と財政赤字

Prison costs and budget cuts : No more room, no more money (The Economist)
この前書いた、フランスの刑務所に関するエントリーはなぜかYahoo! Newsで取り上げられて急激にアクセス数が伸びた。今回の記事は毎度のことであるが米国の刑務所に関する話題だ。米国で受刑者が増えているのは犯罪が増えているというよりも、刑罰が厳しくなっているためである。米国人の100人に1人は受刑者というからとんでもない数値だ。しかしあまりにも受刑者数が増えすぎてしまい、刑務所が超過密状態になっている。さらには刑務所の運営費用が州財政を大きく圧迫しているのが現状だ。景気が良く税収が増えていればあまり気にならないのかもしれないが、残念ながら現在はそういう状況にはない。そこでウィスコンシン州などで刑務所改革を進める動きがある。現在は受刑中の態度がいかによくても仮釈放できないが、一定の条件を満たすことで早期に釈放し、社会復帰を促すことをもくろんでいるが、受刑者に甘いと見られる政策は、財政支出を抑えることができても必ずしも政治的に受け入れることができるとは限らないようで、前途多難な状況だ。