所得格差と結婚格差
Marriage in America : The frayed knot (The Economist)
これも2007年5月の記事。非常に興味深い。日本でも同じ事が言えるのか気になるところだ。米国では高学歴の夫婦では離婚率が低下しているのに対して、低学歴の夫婦では離婚率が上昇しているという。また結婚しているほうが所得が高くなる傾向もあるようだ。会社のM&Aと同じく、二人バラバラで住むよりも一緒に住んだ方がコストが低くなるし、結婚しているほうが将来への希望も生まれ、より長時間働くようになるし、生活態度もまじめになるそうだ。また夫婦それぞれが得意な仕事に特化することで家事を効率的にこなせるようになるという利点もある。
子どもの教育にも親の結婚は大きな影響を与える。片親しかいない子どもは成績も悪く、高校を途中で退学してしまう可能性も高くなる。また親が離婚しているのを見ているだけに、自分もそうなってしまう可能性も増してしまうようだ。面白いのが、結婚と同棲の違いである。同棲している場合は結果的に結婚しても離婚してしまう可能性が高いという。同棲しているという理由だけで本来なら結婚しなかったような相手と結婚してしまう羽目になってしまうからではないかと推測されている。
そんなことから、結婚格差が所得格差を引き起こし、それが子どもの世代にも影響を与え、格差が固定化してしまうとの懸念が出ている。