20080119

インドの軍隊は110万人以上も軍人を抱えているが、幹部クラスの人材が深刻な不足状態にある。インド経済が高成長を遂げているために、大学卒の幹部候補生を確保するのが困難になっている。給与を倍にするなど待遇面での改善を進めているが、結局は質の高い学校が不足しているというのが問題の根本にありそうだ。

高速インターネット回線は経済活動のベースになりつつあるものの、経済大国だからといってブロードバンドの普及が進んでいるという訳ではない。米国はOECDの普及率平均をわずかに上回る程度だ。国土が広いという言い訳も、カナダでの高い普及率を見ると通らない。競争を促進するような政策があるかどうかがブロードバンド回線の普及率を決める大きな要因になっているようだ。米国は既存の通信会社により競争を促進する筈の法律が骨抜きになり、寡占状態に陥っているそのため料金が上昇している地域さえあるほどだ。

アイビーリーグに属する大学の学費は非常に高く、中産階級の上位にあるような家庭でも捻出するのは困難だ。しかしより優秀な学生を確保するべく、ハーバードやエール大学などは学費への支援を積極的に行うようになってきた。これらの大学のように豊かな財政基盤を持っていない小さな大学では対抗するのも難しい。州立大学では親の所得に関係なく一律の学費を設定しているが、所得に連動したスライド制に切り替えるところが出てきている。

The Economistにはよく登場する進化心理学のネタ。高い値段を示されたワインのほうが低い値段を示されたワインよりもおいしく感じられるという調査結果。同じワインであっても被験者に伝えられるメッセージにより感じ方が異なることになる。これは人間の学習能力の現れではないかとも言える。価格というメッセージは現代社会においてもっとも使える集合知であると言えるし、この他人の知識経験がつまったメッセージを学習することで感じ方が変化するのではないかと分析もできる。これも「なぜ選ぶたびに後悔するのか」を連想させるが、もし2種類のワイン(価格ラベルだけ異なり中身は一緒)の中から被験者により選ばせると結果は異なっていたかもしれない。