20060629

  • 創業当時は開放的な会社であったが、現在のApple Computersはきわめて閉鎖的な企業に変貌した。製品開発に関する情報を厳しく制限している。このような同社の行動はユーザーや小売店だけではなく、社員さえも将来の製品販売に関して予測がつかない状況に立たせることになった。同社の本社はいくつかのブロックに分かれており、社員でさえ自らが所属する部署以外のブロックには立ち入ることができない。製品コードネームも部署ごとに付けられる。そのためコードネームとともに新製品情報が社外に流出した際にはどの部署から流出したのかすぐに特定できる。またメモにも社員の名前のすかしが入っているという徹底ぶりだ。極秘情報を掲載したサイトを訴えるほか、社員の研修では情報を漏洩した際に受ける処分に関して話を聞かされる。同社のこのような徹底した態度は比較的少ない広告予算で顧客の注目を集めるという効果があるが、企業ユーザーには不評だ。製品ロードマップが提示されないので消滅してしまう製品に多額の投資を行ってしまうリスクがあるためだ。大口顧客にさえ製品開発計画は提示されない。
    この記事を読むとアップルの機密保持の体制はなんか病的なものを感じる。パラノイア
  • ウォール街は金融の町として知られるが、最近ではティファニーエルメスBMWといった高級品の店も多く開店するようになった。他の高級ブランドの店も今後開店する予定だ。ウォール街に住む人口が増加していることに加えて、この町で働いている、もしくは暮らしている人の所得が極めて高いことが魅力的なためだ。また5番街と比較して家賃が低いことも小売店にはメリットである。同時多発テロを受けて人口の落ち込みが懸念されたが、予想以上に人口の増加率が高い。公的支援や高級コンドミニアムの建設ラッシュが原因だ。

  • 19世紀後半にケチャップを開発し、1900年代初頭には大手食品メーカーに成長したハインツ。同社のケチャップは市場シェア5割以上を抱えているが、最近は業績悪化に苦しんでいる。そこで現在は手を広げすぎたブランドや製品ラインナップの絞り込みと、かつて失った大口顧客の獲得に全力を注いでいる。その大口顧客とはマクドナルドのことだ。マクドナルドは創業時はハインツのケチャップを利用していたが、30年ほど前にトマトの収穫が悪化した際に、充分な量のケチャップをマクドナルドに提供できなかったことが原因で契約を解除されてしまったという経緯がある。マクドナルドをどのようにして再びハインツのケチャップを利用させるか、頭を悩ませている。北米におけるマクドナルドでケチャップがハインツに切り替わると同社の売り上げは1割以上増加するので業績に与える影響も大きい。マクドナルドに関心を持ってもらうために、単なる売り込みだけではなく、いかに店舗運営が効率的になるか、また顧客の嗜好調査の結果などもプレゼンしている。まだ北米でのマクドナルドの契約は獲得できていないが、欧州などの海外のマクドナルドの契約は獲得しつつある。

  • スーパーマンの続編の制作にようやくゴーサインが出た。ワーナー・ブラザーズは10年以上も続編制作で試行錯誤を繰り返していた。一時期はバットマンとの競演や、スーパーマン役をニコラス・ケイジが演じるというプロジェクトまで存在した。結局没になってしまったプロジェクトだけで数千万ドル以上の資金を投じていたという。この一件は、制作されなかった映画にもどれだけの労力が割かれているかを示す好例である。
    この前読んだ、「ビッグ・ピクチャー」(ASIN:4152087005)にも没になった映画プロジェクトに関する箇所があった。
  • ポータブル・アルファという投資戦略が年金基金の間で流行している。この戦略は80年代より存在していたが、ここ数年で急速に普及してきた。低金利と株式市場の低迷が背景にある。この戦略では資金で単純に株式を購入するのではなく、ベンチマーク(たとえばS&P500など)に連動するデリバティブを購入してエクスポージャーを確保した上で、余った資金でヘッジファンドに投資するというものだ。ベンチマーク(ベータ)を上回る超過収益率(アルファ)を狙うという戦略である。ただリスクが大きく、市場が混乱した際には大損する可能性を懸念する声もある。この手の商品を提供している会社には大手金融機関はほとんど入っているが、手数料も高い。加えてヘッジファンドのように成功報酬を徴収する場合もある。この戦略はファンドマネージャーのアルファ創出能力が一定であることを前提にしているが、研究によるとこの前提も疑わしい。
    「αを探せ!」(ASIN:4822243354)という本を読んで、成功報酬とはαを投資家と運用者の間での分配方法の一種であることを知った次第だ。