フランスの刑務所

French prisons : Still miserable (The Economist)
フランスの刑務所はかなりひどいものらしい。先進国とは思えないような劣悪な環境だと外国から批判されている。こうなってしまった原因は犯罪に対する刑罰が強化されて、収容人数を大幅に上回る受刑者が収容されているためだ。現在大統領であるサルコジ氏が内務大臣だったことの政策によるところが大きい。人権意識が生まれたのはフランスの筈だが、受刑者に対する人権意識は弱く、悪いことをしたのだから劣悪な環境に放り込まれて何が悪いと国民は感じているようだ。意外な気がするが。また看守たちの労働環境も悪く、不満もかなり高まっている。遅まきながら政府も刑務所の増設、看守の増強などの手を打ち始めている。

セックスを科学した科学者

Sex pioneers in America : So long in coming (The Economist)
キンゼイレポートという報告書は聞いたことがあった。アメリカ人の性行為を調査した報告書だ。しかしこの調査は社会学的ともいえ、回答者から聞いたことを中心に調査したものでしたなかった。厳密にセックスを科学するというテーマは、william mastersとvirginia johnsonという男女の研究者が1960年代に実行するまで登場するまで手がつけられていなかったらしい。研究のために女性の被験者にマスターベーションをさせたり(顔が見えないように袋をかぶらせる)、12000にもおよぶオーガズムを記録したとかなかなかすごいことが書いてある。さらにすごいのがこの研究者二人の関係だ。最初はこの二人は結婚していなかったのだが(男性のほうは別の女性と結婚していた)、被験者と性行為を行うのは研究者としては問題だということで、研究者同士で性行為をすることにしたという。その後、結局この二人は結婚するが、しばらくして離婚して別の女性と結婚してしまう。セックスよりも人間心理のほうがよほど謎に満ちていると締めくくっている。

Masters of Sex: The Life and Times of William Masters and Virginia Johnson, the Couple Who Taught America How to Love

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