逆風が吹く富裕層

A special report on the rich : Easier for a camel (The Economist)
夕食を食べながら少しずつ読んでいたのでかなり時間がかかってしまったがようやく読み終わる。富裕層に関係するいくつかのトピックスが取り上げられている。資産運用ビジネスとか高級品市場、不動産市場、税制などである。いずれにせよ富裕層が長い間享受していた繁栄は一時的な物であるかどうかは分からないが、損なわれてしまった。景気さえ良ければ一般大衆も富裕層に対しては好意的だったが、景気が悪くなりしかも公的資金で救済されている場合もあることを考えると、富裕層に対する反感は高まる一方である。税制も富裕層には厳しいものとなり、今まで活用してきたタックスヘイブンの利用も難しくなっている。

所得格差はなぜ拡大したのか、"More or less equal?"というセクションが興味深い。アングロサクソンモデルを採用する代表国、もちろん米国と英国だが、これらの国では親の所得格差が子どもの所得格差とかなり高い相関関係があるという。つまり社会の底辺から経済的に成功することが難しいということだ。平等に重きを置くスウェーデンデンマークのほうが階層間の移動が激しいというのが意外である。